天然ガスの主成分はメタン(CH4)。燃やした際に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や、大気汚染等の原因となる窒素酸化物(NOx)の発生が 少なく、酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)や煤じんの発生もありません。天然ガスは、地球環境にやさしいクリーンなエネルギーです。
単位発熱量あたりの発生量を石炭を100とした場合の割合
(資料)
NATURAL GAS PROSPECTS2010,1986/IEA
火力発電所大気影響評価技術実証調査報告書1990.3/エネルギー総合工学研究所
天然ガスは世界中に広く分布し、埋蔵量が豊富である上に、新しいガス田が次々に発見されています。可採年数は約48.8年ともいわれ、国の基幹エネルギーとして位置づけられています。
在来型ガス、非在来型ガスを含めた可採埋蔵量(常識的な範囲で今後想定される技術・経済条件で、採取可能な資源量)は806兆㎥で、約219年分を賄えることになります。採掘・生産技術の進歩により、可採埋蔵量は今後も増加すると考えられています。
確認可採埋蔵量:現在の技術・経済条件で、いつでも採取可能な資源量
通常の天然ガス田(在来型)と異なる方法で採掘するため非在来型天然ガスと言われ、「シェールガス」、「タイトサンドガス」、「コールベッドメタンガス」などがあります。さらに、大陸縁辺部の水深500m~1,000mの海底面下や永久凍土層の下に「メタンハイドレート」の存在が確認されています。
世界における非在来型天然ガスの推定埋蔵量は膨大で、今後、その生産量は増加する見通しであり、長期にわたり天然ガスの安定供給が期待できます。これを効率的に生産するための技術開発が進んでいます。
薄片状にはがれやすい性質をもつ岩石である頁岩(けつがん:シェール)に閉じ込められた天然ガス
浸透性の低い砂岩(タイトサンド)に閉じ込められた天然ガス
石炭に吸着した形で存在し、石炭層に閉じ込められた天然ガス